『無職になった…このままじゃ生活に困るから失業手当をもらおうと思うんだけど…注意しておくことはある?』
『なんか、うちのバイト先で「失業手当もらいながら働いてる~!」って自慢してる人いるんだけど…あれ大丈夫なの?』
こんな疑問・悩みを解消できます。
『失業手当』は無職の方向けの社会保障。生活に困らずに再就職活動できる嬉しい保障ですね。
しかし適切な手続き・正しい申告を行わないと「不正受給」になってしまいますよ。
今回は『失業手当の不正受給』をテーマに解説していきます。
「1か月半強無職生活を送った」私が徹底的に調べ、わかりやすくまとめました。

あまりよく制度を分かっていないまま不正受給をしていた!なんてケースも…。
そんな「うっかり不正受給」を防ぐ方法も紹介しているので、是非最後まで読んでみてください。
失業手当とは?改めて確認しましょう

本題に入る前に、失業手当について改めて確認しましょう。
一言でいうとこんな社会保障です。
『無職の人が、生活に困ることなく再就職活動を行えるための保障』
もう少し具体的にすると
国(市区町村)から、前職場の給料(×所定の給付率)を日額換算した金額を受け取ることができます。
無職(無収入)期間中の生活を金銭的に支えてくれる嬉しい制度ですね。
無職が生活に困らず再就職活動を安心して行えるための社会保障
失業手当は『雇用保険』の保障のひとつです。
受け取れる金額は「雇用保険に加入していた間の給料」をベースに決定されます。

失業手当を受け取れる期間は「退職日翌日~一年間」だよ!
前職場での給料の満額を受け取れるわけではありませんが、無職期間中の生活保障としては十分に貢献可能。
私も「実際に失業手当を受け取るようになったら」真っ先に『家賃』にあてる予定でした。
失業手当を上手く活用すると、生活に困らず「再就職活動に集中できます」
非常にメリットの多い社会保障と言えますね。
失業手当で受け取れる金額・期間
では、失業手当で実際に受け取ることができる金額はどのぐらいなのか。
失業手当・受給金額の目安(日額)
日額換算した前職時の給料※×ハローワーク所定の給付率(50~80%)
(※ボーナスを除いた、直近6カ月の給料合計÷180)

「ハローワーク所定の給付率」は人によって様々です。
著者の場合は『給付率50%』でした。
失業手当を受け取り続けることができる期間の目安はこちら。
0日~150日まで(働いていた期間※によって異なる)
(※雇用保険料が給料天引きされていた期間。その間転職していたら合算されます)
(※働いていた期間が1年未満だった場合は一律0日)
また、失業手当を受け取れるタイミングは「退職した事由」で変わってきます。
- 『会社都合退職』 手続き後7日待機~「初回認定日」経過後
- 『自己都合退職』 手続き後7日待機~「初回認定日」経過+3か月間の給付制限期間経過後
失業手当(基本手当)についての詳細は以下の記事もご覧ください。
【そもそも論】失業とは…定職についていない状態
「失業」という単語がよく出てきますが、そもそも失業とはどんな状態を指しているのか。一言でいうと、こんな状態。
退職などで職を失い、定職に就いていないこと(バイト・自営業含む)
ハローワークではこのように定義づけされています。
離職し、就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にあること。
引用元:『ハローワークインターネットサービス』

超ざっくり言うと『働きたくても働ける状況でない』こと!
そんな時ハローワークに「失業の申請」をすると『失業手当を受け取れる資格』を得ることができます。
失業手当を受け取るには 受給するまでの流れ

失業手当を実際に受け取るために!
退職などで職を失ったらすぐに、以下の手続きを「漏れ・偽りなく」行う必要があります。

手続きそのものは、窓口が混んでいなければ約30分~1時間程度で終わるものだよ。
失業・失業手当受給の手続きに必要な書類は『離職票』『雇用保険被保険者証』です。
ハローワークに行く前に、必ず手元にあるかどうかを確認しましょう。
万一無かった場合は、すぐに会社に催促を!
失業手当の不正受給とは…

お待たせしました。ここからが本題です。
無職の生活を支えてくれる失業手当ですが、中には制度を悪用して「不正受給」しているケースが後を絶ちません。

「溺れる者は藁をもつかむ」気持ちで正しい手続きを行った側としては、非っ常~に遺憾です!!
失業手当に限らず、公的保障の不正受給は絶対にダメ!
なお、悪質な不正受給者については、詐欺罪等で刑法上の罰が加えられることもあります。
引用元:どんなケースでお咎めある?不正受給の制裁知リたい|人事労務相談Q&A
最悪の場合、犯罪になりますからね。
失業手当を受け取る為には条件がある
失業手当は受け取るための条件があります。
- 離職後、失業している状態(定職に就いていない)なこと
- 離職以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あること
上記2つの条件を「両方」満たすことで、初めて失業手当を受け取れる権利を取得可能です。

失業手当=失業(働きたくても働けない)者に向けた社会保障ですからね…定職に就いている人が受け取れないのは当たり前の話です。
失業手当を不正に受け取っているケースがある
失業手当を不正に受け取っているケースは意外とあります。
故意はもちろん、うっかり不正受給になっていた!としても…ダメなものはダメ。
以下に2例ほどまとめておりますので「ドキッ」としたら、すぐにハローワークへ相談しましょう!
不正受給の例・1 『給付期間中に「無申告で」アルバイト』
失業手当とは『失業している状態』とハローワークから認定された人のみが受け取ることができる保障。
当然の話ではありますが、受給期間中に「定職に就いている」と認定されたらその時点で失業手当の支給はストップされます。
しかしハローワークが『失業しているかどうか』を判断するのは、認定日での失業者からの申告ベース。
そこを悪用して不正に受給している例があるんです。
旦那の不倫相手、失業手当もらいながらキャバクラで働いてるんですよ。不正受給。そしてペット不可のマンションでわんちゃん飼ってる。 そしてお店でお酒飲んだりした後、飲酒運転で帰宅してるんですよね。 すべて然るべきところにリークして人生のどん底に落としてやる
引用元:Twitter

………。
ツッコミどころしか無さすぎて戦慄するわ!
詳細は後述しますが、失業手当受給期間中でも「条件を満たせばアルバイトしてもOK」
その代わり、働いた事実をハローワークに申告する必要があります。
引用した例では…恐らく申告なんてしてなさそうですね(汗)これは120%まずい。
不正受給の例・2 『個人事業(自営)・請負業をしているのに受給』
しつこいようですが、失業手当を受け取れる人は「失業している」人のみ。
個人事業主(フリーランス)や請負業をやっている人は当然「定職に就いているもの」とされます。
失業手当がすぐにもらえるはずだったのに、アテが外れたというこの崖っぷち感。一瞬だけ目の前が真っ暗になったけど、背水の陣でこそわたしの本領は発揮される!(ハズ)
真面目なお話するのであれば失業手当は次の就職する前提で申請するものでフリーランスや個人事業主になる際に受給された場合は不正受給になる可能性があります… 私もフリーランスに近々なろうと行動していますが手持ちだけでなんとかするつもりです(;_;)
引用元:Twitter
この例は、不正受給をしてしまう前に親切な方に教えてもらってもらい未遂で済んでいます。良かった。

しかし…風の噂でこんな話も聞きました。
フリーランスになるべく、会社を自己都合退職。
ブログ・YouTubeなどメディア作成、動画編集請負などで月に約数万円の収益のめどが立っている。
同タイミングで、ハローワークで失業・失業手当の手続きを行った。
手続きそのものは完了し、待機期間中。給付制限期間は3か月ある模様。
この話で特に問題なのは、自営業である程度の収益をあげているのにも関わらず「失業手当の手続きを完了させたこと」
本来は少額であっても自営で収益をあげている場合、ハローワークに申告しなければなりませんし「失業状態」だと認められないことがほとんど。

そんな状態でも「失業手当」の手続き完了したってことは…申告してない可能性もゼロではないってことで。
…どう考えても真っ黒です。本当にありがとうございました。
不正受給の典型例・その他
上記に挙げた例以外にも、失業手当の不正受給例があります。

共通点は一つです。
- 事実を隠す
- 嘘をつく
子供の頃に「嘘つきは泥棒の始まり」と教わりましたよね?
失業手当 不正受給するとどうなるのか

それでは、失業手当を不正受給してしまうとどうなってしまうのか。
こんなことが起きてしまい、無職期間中の生活安定どころかマイナスでしかなくなります。

ここここ…怖!!!!
それぞれ解説していきます。
不正受給が発覚したら…【通称・三倍返し】
失業手当の不正受給が発覚したら、今まで受け取ったお金を全額+αでハローワークに支払う義務が発生します。

通称『三倍返し』です。
『不正受給でハローワークに返還する義務のある金額』
【三倍返し】の理由
今まで受け取った失業手当全額(1倍)
+
受け取った失業手当全額×2(2倍)
1倍+2倍=3倍返しとなります。非常に単純な足し算です。
『安心した生活維持』のためが「お金を失うリスク」を負う場合も
国(市区町村)からお金をもらうつもりが、
逆に罰金を支払わなければならなくなるなんて最悪です。
失業手当は本来「無職期間中の生活維持」を目的とした保障のはずなので、これでは本末転倒も良いところです。
ちょっとだけなら…バレないだろ…【絶対バレます】
『でも、みんなやっててバレてないし…私もバレないんじゃないの?』
『黙ってれば大丈夫なんじゃない?』
絶対にバレます。
自分では100%隠し通しているつもりでも、思わぬところから知られてしまうものです。

特に、うっかり口を滑らせてしまうケースが多いです。
TwitterやInstagramなどSNSには要注意。
虚偽(嘘)の申告は自分自身・周りの為にも決してするべきではない
『黙ってればバレないし、バイトと失業手当でお金いっぱいもらおう!』
『ちょっとぐらい良いかな~』
そんな軽い気持ちであっても、絶対に嘘の申告はしちゃダメです。

『嘘をついてまでお金を多く得たい』のと
『バレた時の多大なリスク』
天秤にかけて冷静に考えてくださいね。
失業手当を「うっかり不正受給」しないために…

『失業手当の不正受給』はデメリットとリスクしかないので、絶対にやってはいけないですが…。
それでも「うっかり不正受給」をしてしまう可能性もあります。
- 失業手当だけでは足りない
- よく知らなかったばっかりに
- 生活が立ち行かなくなるのでやむなく

「うっかり不正受給」をしないで済む方法はあるよ!
失業手当の「うっかり不正受給」防止策
大切なポイントは『条件などしっかりリサーチすること』と『事前準備』です。

誰でもすぐにできることなので、意識的にやってみてください。
当面生活と趣味継続に困らないためのまとまったお金を用意しておく
「当面生活と趣味に困らないだけのまとまったお金」とはいくらぐらいなのか。
当ブログでの考えは以下です。
(生活にかかる費用+趣味などにかかるお金(ひと月分)×6~12か月分
上記が無理そうでも、せめて3か月分は貯めておきましょう!

私が会社を辞めて無職になる覚悟を決められたのも、まとまったお金があったから!
当時は約半年間は完全無収入でも生活と趣味に困らないだけのお金を用意していたんだよね。
そもそも、まとまったお金を用意できない段階で無職になるのはおすすめできません。
貯金って確かに難しいですが、可能な限り在職中に貯金ができる仕組みを作っておけると最高ですね。
実際に私が今でもやっている貯金の方法は以下の記事にまとめています。
失業手当の受給要件・不正受給になってしまうケースをよく確認
事前に確認しておくことは重要です。
確認するための資料は『失業手当手続き』か『初回説明会』でもらえるしおり。
- 受給要件
- 不正受給になってしまう場合

この2項目はしおりに穴が開くレベルでしっかり確認しておきましょう。
ちょっとでも疑問に感じたら、自分で調べるよりハローワークに相談
自分の状況が「不正受給なのかどうか?」判断に困る時は、すぐにハローワークに相談しましょう。
調べるのも大事だけど、万一間違えた認識をしてしまったら非常に問題。
失業手当を受給しようとしている人にはいろいろな事情があります。

徹底的に調べるより、訊いてしまった方が早い場合もあるよ!
ハローワークの窓口は相談だけでもOKだからね。
特にうっかり不正受給が起きやすい例・受給期間中のアルバイト
「うっかり不正受給が起きやすい」
最たる例は『失業手当受給期間中のアルバイト』です。

「アルバイトを全くしてはいけない」わけではありません。
失業手当受給中でもアルバイトはOK 【条件あり】
失業手当受給中でもアルバイトはできます!
ただし、条件と決まりごとがあるのでしっかり確認しておきましょう。

「労働した日」は失業手当を受け取れないので、一日分先送りされるよ!
無償であっても「労働扱い」の為、申告が必要な例もある
無償(一円も収入にならない)であっても、ハローワークとしては「労働扱い」になるケースもあります。
この場合は申告の必要が。
- 友人の引っ越し手伝いなど
- 地域のボランティア活動など

これは意外な落とし穴ですね。
なぜ申告の必要があるのか。
その理由は「再就職活動を行うことができなかった事実」としてハローワークに認識されるからです。

労働にならないことしてる暇があったら転職活動しなさい…ってことなんでしょうかね。
世知辛い世の中だぁ。( ;∀;)
友人の引っ越し手伝いなど
引っ越し手伝いは重いものを運んだりするため『肉体労働』と認識されます。
そのため「労働扱い」にされ、ハローワークに申告する必要が。
地域のボランティア活動など
これは本当に意外だと強く感じましたが…
地域のボランティア活動も申告の必要があります。
ちょっとでも「?」と感じたら、ハローワークに相談しよう!
失業手当受給中のアルバイトなどもいろいろな事情があります。
自分の状況にちょっとでも疑問を覚えたら、ハローワークに相談・確認を取るのが最善の行動です。
『正しく受給している人にとって、最大の迷惑行為』それが失業手当の不正受給

最後まで読んでくださってありがとうございました!

失業手当は正しい申告・手続きを行って安心、大手を振って転職活動を!
転職活動を成功させるための記事もまとめていますので、是非読んでみてください。
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