所謂「ほ○んの窓口」のような『保険ショップ』が出てきてから早20年近く経っているそうです。
今となっては当たり前の保険の販売方法の一つとなっています。
そういった保険ショップの多くは無料で保険の相談ができます。
ちょっと難しい保険やお金の相談を無料で出来て、
自分に合っている保険を相談員さんが探してくれて、
なおかつ契約手続きやその後のサポートまで代わって引き受けてくれる。
そんなサービスってどう思いますか?
リーズナブル!ありがたい!
って思う方が大半かもしれませんね。
ちょっと待ってください。
こういった徹底的にお客様寄りなサービスが無料って…
なんで無料でそこまでやってくれるのか、気になりませんか?
今回はそんな無料の保険相談を行う保険ショップ…来店型保険代理店のお話をしていきたいと思います!
少し前まで来店型保険代理店の営業職員をしていた私が「保険ショップの真実」を皆さまに少しでもお伝えできればと思います。
今回は主に、
- 保険ショップは何故無料なのか
- 保険ショップの相談員に個人ノルマは本当にないのか
- 本当に公正公平な提案を行えているのか
こんな話をしていきます!
多少、偏った意見かもしれません。参考程度に御覧ください。
保険に関してはこんな記事も書いています。お時間ありましたら是非読んでみてください♪
来店型保険ショップって何だっけ、改めて確認しましょう
今でこそ全国にたくさんの保険ショップが並んでいて多くのお客様が利用していますが、
ひと昔からしたら非常に先進的かつ画期的な販売方式でした。
かつて保険(特に生命保険)は保険会社の営業職員から直接契約するといった方法が主流で、営業職員が職場や住宅に訪問して販売しております。
それに対して保険ショップは、保険に何かしらの悩みを抱えたお客様が店舗に来店します。
保険やお金の知識があるスタッフに相談しながら、
複数の保険会社の商品を比較しながら、
内容や疑問点をその都度解決しながら自分に合った保険を探していく
…といった、一社専属では真似の出来ない販売スタイルを確立しました。
来店型保険ショップが強く打ち出しているメリットは以下3点です。
「個人の販売ノルマがない相談員が常駐」
「公平中立な立場で」
「徹底的にお客様に合わせた保険提案ができること」
今までの「ノルマ達成の為に営業職員が売りたい商品を提案→受動的な保険加入」ではなく、
来店型保険代理店では「お客様自身で最適な保険を選んでもらう→能動的な保険加入」ということになりますね。
改めて『保険ショップ』とは何ぞや、確認が出来たところで本題に入ります。
保険ショップ 相談料が無料な理由
何故保険ショップが無料でも商売として成立するのか…。
結論から言いますと保険会社から販売手数料を頂いているからです。
保険ショップとは言い換えるとお客様来店型の保険代理店です。
いろいろな保険会社と提携を結んで、保険会社に代わってお客様に保険を提案し販売します。
代理店が保険を販売するごとに、保険会社は売上(保険料)の何割かを販売手数料という形で代理店に支払います。
そうする事で保険ショップは相談を無料で行っても収益を得ることができるんですね。
提携している保険会社や扱う保険の種類によって手数料の料率も大きく変わります。
ちょっと待って。今の話だと保険ショップが保険をお客様に売らないと手数料の収益は発生しないという事なの?
その通りです。例えば保険ショップで無料相談だけを行いそのお店では保険を契約しなかった場合、代理店の収益は1円もありません。
そしたら売上とか考えて、出来るだけその保険ショップで保険に入ってもらいたいってお店側としては思うわよねー。
大正解です。なので、代理店側はなんとかお客様に契約までしてもらう為に色々と考えています。
来店型保険代理店も慈善事業ではありません。
収益を得るために、様々な方法で何とか自分の代理店で契約してもらえるように取り組んでいます。
そして多くの会社と同じように年間の販売計画があり、
目標必達に向けて各代理店に予算が振られます。
つまりこれってどういうことなのか?次のポイントで詳しくお話しします。
本当に公正公平な保険提案ができている?元・保険代理店営業が真実を伝えます
「個人の販売ノルマがないスタッフによる、公正公平な保険の提案」
が売りの保険ショップですが、果たしてこれは本当なのか!?
答えは『イエス』でもあり『ノー』でもあるんです。
ではその理由ですが…結論から言いますと、
確かに規則上の個人ノルマはありません。ただ実質個人ノルマはあるんです。
そして、公正公平な提案をしている…というのは、私が働いていた代理店に限った話ではありますが、
正直なところしていない人の方が多数でした。
そもそもの話として、元・弊社では
「いかにお客様に信用を頂き、いかに多くの契約を頂けるか、いかに手数料率の高い商品を提案できるか」
に重きをおいた社員教育を行っていたので、こうなるのは明白なんですよね。
何故こんなことが起きるのかと言いますと、先ほど少し触れた代理店の予算が関係してくるのです。
来店型保険代理店はほとんどの場合、
営業職員が数名(店舗規模によって人数は様々)+受付事務員という構成になっています。
会社の売上目標である代理店の年間予算が店舗に割り振られ、更に店舗に配属している営業職員に割り振られます。
そして営業職員が各自で予算達成のために頑張ることで代理店の売上が上がっていきます。
つまり、
会社の予算が営業職員に割り振られる→実質的な個人ノルマの完成ということです!
実は私もこの実質個人ノルマにかなり悩まされました…。(-_-)
もちろん予算を割り振られた以上は必達することが求められるのが営業職の責務です。
万一予算を達成できなかった人へはペナルティがしっかりとあります。
これは個人ノルマがある保険会社の営業職員と全く一緒です。
代理店の経営方針によって大きな違いはありますが、私が働いていた保険代理店では…
- 本社からの呼び出し→配属店の店長、役員から結構きつめのお叱りを受ける(状況によっては人格否定や退職を勧められることもあります。もっと言えばパワハラです)
- 年間の手数料実績→来年の基本給額が決まる。売ることができない営業職員は容赦なく最低賃金を割った基本給ランクになる
こんなペナルティがあります。
いかがですか?正直なところノルマのある営業とほとんど変わりませんよね?
そんな状況だったので、私も正直なところ「お客様に寄り添った公正公平な相談役」というよりは、
いかに契約をもらうかを重視していた部分もありました。
結果も振るわず、仕事そのものに違和感を感じてしまったので退職しました。
離職率もかなり高い業種です。
『保険ショップで保険の相談をしたい!』と考えられている方は
「公正公平な立場」のていでお客様の前に座っている相談員さんにはこんな背景があるんですよ。
…ということは頭の片隅に留めておいてください。
ではこのお仕事で成功している人はどんな人でしょうか。
お客様にちゃんと寄り添って公正公平に提案ができている人?
誠心誠意お客様のためにお仕事が出来ている人?
いいえ、違います。
保険に限らず「営業活動が得意な人」が成功しているのです。
公正公平にお客様に寄り添っている
…と見せかけて自分の販売したい保険をお客様に選ばせるのが上手い人、とも言えますね。
そういう人は収益の効率化をするのもすごく上手く、お客様に提案する商品は手数料率の高いものを優先していることも多いです。
料率の良い商品は大体保険料も割高なことが多いです。
お客様が損をしてしまう可能性も出てきてしまうのに、平気な顔をして提案、販売している人も仕事の中で見てきました。
お客様に最適な保険<会社の収益性<<自分のノルマ達成
な感じの営業職員が以前働いていた代理店では高く評価されていました。その結果としてこういった販売スタイルが当たり前になっていくのです。
100%そうだとはもちろん断言できません。ただ、私が働いていた保険代理店ではこんな感じでした。こういう事実も間違いなくあります。
これは本当に余談ですが、
私が退職する数ヶ月前に業務命令で
「手数料収入の高い貯蓄性保険をこれから担当する全てのお客様にマストで提案するように。その時お客様にそういう意向が無くとも関係無し」
といったことがありました。今考えると本当にゾッとします。
少し前のニュースでも保険の不適切な販売が問題視されていたので、流石にもう無いとは思いますが…
か〇ぽ生命…
ゆうさん、これ以上は…
無料(タダ)より高いものはない?高い勉強料を払ってしまう前に
え…じゃあ保険ショップに行っても自分が入りたい保険に入らせてもらえない上に、営業の都合で保険に入らされちゃうってことなの?
もちろん全てがそうだとは言えませんが、こういうケースは間違いなく起きているし今後改善されるかどうかもわかりません。
ただ、そうなってしまうことを防ぐ方法があります!
その方法を知っていれば保険ショップに行ったとしても収益重視の提案をされずに、
ちゃんと自分が必要な、本当の意味で最適な保険を選ぶことができるんです。
数十社以上の保険会社の商品を比較できるスタイルそのものは全く悪くない、
むしろ保険に入る際は積極的に活用すべき
だとさえ思っています。
そんな『来店型保険代理店』『保険ショップ』のお客様がなるべく損をしない活用法…
について私も考えてみました!
『保険ショップの効果的な使い方を元保険ショップ店員が教えます』
保険ショップに来店する前に行う「たった二つの事前準備」で、
「保険ショップの営業職員本位な提案」を避けた上で、保険ショップ最大のメリットである
『複数の保険会社の商品比較』が出来ます!
是非読んでみてください。以上、ゆうでした。
最後まで読んでくださってありがとうございました♪
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